現在使用している入れ歯が合わない、咬み合わせを考えた入歯症例
レジリエンツ・テレスコープ・デンチャー 症例3
2012.4初診の患者さんです。 入れ歯がどうしても合わないとの事です。
フェースボー 咬合器 という機器を用いて分析します。
画面中央にある線が本来あるべき歯の位置です。
大きく後ろに下がっているのがおわかり頂けるでしょうか?
前後差が非常に大きいという事がおわかり頂けるでしょうか?
レジリエンツ・テレスコープ・デンチャーは素晴らしい入れ歯です。
また、インプラントも素晴らしい治療方法です。
しかし、咬み合わせを考えない治療とは、 設計上問題のある建築物と一緒です。
この咬み合わせのままインプラントやレジリエンツ・テレスコープ・デンチャーを行っても、
それなりの結果は出るでしょうが、より良い設計で治療した方がなお良い結果が出ます。
まずは修理しました。
入歯修理の様子
前後差があまりにも大きかったので、いきなり自費診療をするのではなく、保険で作り直す事にしました。
前後差を考えた保険の入れ歯を作りました。
以前よりはるかに噛める様になったとの事です。
しかし、より一層噛める様にするためにレジリエンツ・テレスコープ・デンチャーを製作する事にしました。
上下の顎を同時に型取りした物です。筋肉の動きが型取り材に反映されています。
下あごには2本歯が残っていました。その歯にかぶせる様に入れ歯を装着します。
この義歯がレジリエンツテレスコープデンチャーです。
コーヌステレスコープデンチャーよりも歯への負担が少ないのが特徴です。
吸い付いてはずれません。患者さんからも 全く動かない とおっしゃって頂けました。
入れ歯装着
上顎は総義歯です。
顔の筋肉の動きを型取りに再現させたおかげで、
歯があった頃の口もとに非常に近いとおっしゃって頂けました。
生活に不自由無く、たいていの物は噛めると評価して頂けました。
今回の下あごのレジリエンツテレスコープデンチャの費用は 62万+税 でした。
内訳は以下の通りです。
被せ物16万×歯2本=32万
チタン金属床=30万 です。
上顎レジン床義歯=10万+税 でした。
インプラント治療ならば、場合によっては数百万かかると思います。また、外科処置も必要です。
しかも、インプラントは失った歯が多い程治療費が高くなりますが、この義歯は逆に安価になります。
健康に不安のある方、高齢者にはぜひともこのレジリエンツテレスコープデンチャーをお勧めします。
総入れ歯になる前に、ぜひ、やってみて下さい。
健康で動かない丈夫な歯が1本あれば、かなりの程度動かない・吸い付く入れ歯を作る事ができます。
入れ歯は所詮異物なので、歯医者の技術だけではなく患者さんの受け入れる能力によっても、評価が変わります。
年をとればとるほど、人間は新しい物事に慣れる能力が落ちてきます。
可能ならば70歳前までに、しっかり入れ歯を作ることをお勧めします。
インプラントも良いのですが、要介護になってインププラントが化膿した時に大変です。
入れ歯は一般的に下あごの方が難しいです。
舌ベロという筋肉の塊によって浮き上がったり、上顎よりも面積が小さいので同じ力でも圧力が大きくなって痛みが出やすかったりするからです。
予算に限りがあるならば、上あごよりも下あごの治療に費用をかけて下さい。
そしてインプラント治療が理想ですが、予算もしくは健康に問題があってインプラントができないときは
レジリエンツテレスコープデンチャーを強くお勧めします。