歯周病からの復活つけていてもわからない、よくかめる入れ歯(前編)
コーヌス・テレスコープ・デンチャー症例2 入れ歯・義歯(50才からの審美と健康)
50歳代の男性。「歯がグラグラして痛い、かめない、見た目も良くない。
インプラントにしたい」ということで来院されました。
初診時:11月下旬
見た目を気にしているらしく、マスクをなさって来院されました。
入歯完成:6月中旬
治療が終了した所です。
もう、マスクはされません。
インプラントではなく、テレスコープ義歯となりました。
患者様の希望をなるべく受け入れたかったため、最後まで、インプラントができるかどうか、さまざまな検査をしました。その検査が、1月下旬までかかってしまいました。
治療が始まったのは2月からでしたので、約4ヶ月の治療期間でした。
どのように治療が進んでいったかを順を追って見て行きます。
初診時エックス線写真
口全体の写真を撮りました。
インプラントとはあごの骨に金属の土台を植え込み、その上に人工歯を被せるという治療法です。
自分の歯と同じようにかむことができ、しかも入れ歯のように出し入れする必要はありません。
しかし、大きな難点がありました。あごの骨が少ないのです。
あごの骨は青線上にあります。上あごの場合、インプラントを植え込むと赤線まで達してしまいます。
赤線より上は上顎洞と呼ばれる空洞になっています。蓄膿症でウミがたまる場所です。
ここにインプラントが突き抜けると上顎洞が化膿し、強い痛みと腫れが引き起こされます。そのためインプラントはできません。
下あごの赤線は下顎管という神経の管です。
ここを傷つけると顔半分の感覚が麻痺し、顔がゆがんでしまいます。
しかし、なんとか患者様のインプラントという希望をかなえたく、
CT画像診断によってインプラントができるかどうか再検討しました。
写真はステントというものです。
インプラントを打ち込む場所を事前に予測するために作ります。
これを口に付けてCT撮影することによってインプラントを打ち込む場所の骨の位置を知ることができます。
インプラント手術をする時のガイドにもなります。
CT撮影結果
義CT撮影の結果、インプラントをやれるかやれないかの瀬戸際であることがわかりました。
写真は下あごのCT撮影の画像解析をした図です。
しかし、まだ問題はあります。それは歯周病の問題です。
この時点で、かなり歯周病による歯ぐきの化膿は治まっていました。
しかし、歯があるかぎり、歯周病は完治しません。
歯周病は糖尿病と同じように一度なってしまったら進行を遅らせることはできますが、
完治することはないのです。歯周病の菌によってインプラントも歯周病になってしまうかもしれないのです。
せっかくインプラントが成功しても、またダメになる可能性について、
ダメになったら最初からやり直ししなければならないことについて、
治療費について等を検討いたしました。