歯周病からの復活 つけていてもわからない、よくかめる入れ歯(中編)
コーヌス・テレスコープ・デンチャー症例2 入れ歯・義歯(50才からの審美と健康)
どうしても残せない歯の抜歯
歯を一本でも残そうとすることは大切なことです。
しかし、一本を大切にすることによってその他の歯までダメになってしまうこともあるのです。
写真は右下の親知らずです。
歯の根の先についている粒々が、歯石です。
歯の表面には、骨や歯ぐきにくっつくように信号を出す組織があります。
しかし、歯石は歯の表面にくっつくことによって、その信号を遮断します。
骨や歯ぐきは「これは歯ではない、異物である。」と認識し、
歯から逃げたり、歯を押し出そうとしたりします。
これが歯周病です。
歯への被せ物
テレスコープデンチャーは、歯に被せ物をして、
さらにその上に入れ歯と一体化した被せ物をかぶせるというシステムです。
’80年代にテレスコープシステムが現れ、その中にはうまくいかない症例もありました。
うまくいかなかった症例のほとんどは、この歯への被せ物「内冠」の製作の失敗によるもの、
および設計上のミスだと言われております。
内冠は一般的には手作業で研磨をします。
ところが手作業で研磨したものの表面を顕微鏡下で見るとデコボコになっています。
これではテレスコープ義歯(テレスコープ・デンチャー)を出し入れするたびに歯にひっかかって、歯をこじってしまい、歯の寿命を短くしてしまいます。これが当時の失敗症例の大きな原因と思われます。
そこで、写真のように、オペラデンタルでは機械で研磨をしています。
すると表面は顕微鏡下で見ても、鏡のように滑らかなのです。
これを鏡面研磨と言います。
かみ合わせをしらべる
いくら製作物がすばらしくても、
かみ合わせが良くなければ入れ歯は安定しません。
「かみ合わせをみる」とは建築にたとえるならば、構造計算・設計です。
どんなにすばらしい天然のヒノキをつかっても、設計がうまくいかなければ、耐用年数は短くなります。
オペラデンタルの特徴は「コーヌスデンチャー」ではなく、
「かみ合わせを考えた入れ歯の治療」という所にあります。
上顎の義歯完成
まず、上の入れ歯を完成させました。
理想的な歯並びで製作するため、現時点では下の歯とはかみ合っておりません。
理想的な歯並びで上の義歯を作り、それに合わせて下の義歯を作り、
すべてを理想的な状態に作り上げていきます。
費用は¥1,000,000(税別)でした。
内訳は以下の通りです。
被せ物の部分¥160,000×5本=¥800,000(税別)
義歯の部分¥200,000(税別)
治療前の写真
上顎の入歯装着
上顎にテレスコープデンチャーが装着されました。
下顎には仮の入れ歯が入っています。
これに合わせて下顎にも義歯を製作していきます。
歯科医師から一言
どんな治療方法にせよ、利点と欠点は必ずあります。
テレスコープデンチャーは入れ歯と被せ物を一体化した形の入れ歯です。
入れ歯という物体が、口の中に入るということが欠点かと思います。
しかし、以下の様な利点があります。
1.残っている歯の本数が少ないほど(失った歯が多いほど)、
治療回数が少なく、かつ、治療費を抑えることができます。
(インプラントや他の治療は残存歯が少ないほど治療費がかかります。)
(逆に2本くらいの歯の欠損の場合、インプラントの方が治療費を抑えられることもあります。)
2.従来の入れ歯は、バネのかかっている歯がダメになると作り直しをしなければなりませんが、
テレスコープデンチャーは修理して使えます。壊れないわけではありませんが、修理して長く使えます。
3.従来の入れ歯はバネでひっかけているので動きがありますがテレスコープデンチャーは動きが少ない。
4.動きが少ないのでよくかめます。
5.動きが少ないので異物感が少ない。
6.特別な外科処置、手術を必要としません。普通の歯科治療の範囲でできます。
よって高齢者、高血圧や糖尿病の方、その他の有病者、
インプラントをするには難しいと言われた方でもできます。
7.清掃がしやすい。介護をする方も、される方も非常に楽です。
口の中の衛生状態が、さまざまな全身疾患をひきおこすことが分かってきた現在、これは重要なことと思います。