残っている歯が1~3本の場合に有効的な入れ歯治療症例
レジリエンツ・テレスコープ・デンチャー 症例2
40代男性、2012年4月初診。
歯周病がひどく、上の歯がまとめて抜けてしまったとのことです。
初診時
上は1本も歯が残っていません。
下は左の親知らずと犬歯がかろうじて残せる程度です。
しかし、親知らずは極端に傾いている為、入れ歯のばねをかけることができません。
上下インプラントも計画したのですが、費用の問題および骨の厚みの問題があるため、できませんでした。
歯科の治療において上下どちらかに費用をかけるならば、下顎に費用をかけてください。
上は入れ歯でも比較的何とか咬めるようになります。
下はしっかりしたものを作らないと、なかなか痛みが取れません。
下顎は将来的に犬歯や親知らずも無くなり、総入れ歯になる可能性があったため、
1本インプラントを入れました。
これで使える歯は、犬歯とインプラントの2本になりました。
残っている歯が1~3本ならばレジリエンツテレスコープが非常に良いです。
コーヌステレスコープに似ていますが、残っている歯が1~3本の時にコーヌステレスコープをすると、
歯への負担が大きすぎて、歯にダメージを及ぼすことがあります。
レジリエンツテレスコープは歯への力をあまりかけず、
歯ぐきに沈み込むことで入れ歯が落ちないようにする義歯です。
インプラントですべての歯を作るよりも、はるかに費用を抑えることができます。
それでいて入れ歯ではあっても動かず、結構噛めます。
入れ歯装着
2013年12月30日装着です。下の入れ歯がレジリエンツテレスコープデンチャーです。
その後の調整は1回だけでした。
大好きな焼肉、とんかつ、問題なく食べることができたとのことです。
入れ歯をはずした状態
入れ歯を外した下の歯茎の写真です。
向かって左がインプラントです。向かって右が犬歯です。
たとえ犬歯が無くなっても、このインプラントがしっかりしている限り、
今回作ったレジリエンツテレスコープデンチャーは問題なく使えます。
この金属の被せ物に下の写真の金属部分がはまることによって、入れ歯が安定します。
下の入れ歯:レジリエンツテレスコープデンチャの費用は 83万(+消費税) でした。
内訳は以下の通りです。
インプラント21万
内冠・外冠32万(16万×2本)
チタン床義歯30万です。
保健の入れ歯と比較したら、非常に高額かもしれません。
しかし、もしインプラント、例えば オールオン4 で行った場合、250万~300万程度かかります。
大きな外科処置も必要です。
しかも、そのインプラントの内、1本だけがダメになっても、結局全滅になる可能性があります。
そのことを考えると、今回のレジリエンツテレスコープデンチャーはコストパフォーマンス(費用対効果)と安全性が高い治療と言えるのではないでしょうか。
治療を終了した上での反省点としては、予算が許すならば上顎に1本だけインプラントをして、上顎もレジリエンツ・テレスコープ・デンチャーにすればより一層噛めたのではなかったか、という事が挙げられます。